ビクトリア・23歳・いくみ

ビクトリア・23歳・いくみ
目次

プロフィール

名前いくみ
渡航先カナダ・ビクトリア
渡航時の年齢23歳
渡航前の職業ホテル従業員
渡航資金50万円
渡航時の語学力TOEIC850点程度
渡航時の滞在方法ホテル2週間
語学学校の期間なし


ワーホリのきっかけ

2020年の初めにコロナが流行り始め、海外旅行には当分行くことができないと思っていました。

その背景として、私は2020年の3月に大学を卒業し4月からはホテルに勤め始めることになっていましたが、コロナの影響で約半年間自宅待機という指示が出ていました。

日本国内で県を跨ぐ事すら躊躇われていたあの時代に海外へ行くことなど不可能だと感じていました。


そんな中少し規制が緩くなり始めた10月頃からは成田空港の近くにあるホテルに配属となったのですが、そこで私は衝撃を受けました。

なぜなら、ホテルには外国籍の宿泊者や、これから海外へ渡航するお客様が沢山いたからです。

その瞬間に「自分はコロナを言い訳にして本当にやりたい事から逃げているのではないか」と思いました。

そこから、ワーホリに行きたいという強い思いが芽生え、コロナ禍ではありましたが渡航を決意し、ホテルを退職しました。


カナダ・ビクトリアを選んだ理由

カナダ・ビクトリアの市内

もともとはニュージーランドに行きたいと思っていたのですが、コロナの影響でワーキングホリデービザの発給が停止されていました。

また、オーストラリアもビザの発給が停止されており、英語圏ではカナダかイギリスしか選択肢がありませんでした。


どちらにするか考えていた時に、大学時代にカナダに語学留学に行った時のことを思い出しました。

あの時は、一か月半の滞在だったため観光気分が抜けないうちに帰国しました。

ですので、今度は1年間現地の生活に触れてみたいと思いカナダへ行くことを決めました。


また、せっかく海外で1年間も過ごすなら大きな町よりも小さな町のローカルな生活に触れたいと思い、カナダのいろいろな都市を調べました。

ヴィクトリアは大きすぎずとても美しい街だし、求人もそれなりに出ていたのでヴィクトリアへ行くことを決めました。


渡航当初の様子

学生時代にも長期で海外に行った経験はあったので、ワーホリに関しての不安はあまりありませんでした。

しかしコロナ禍での渡航だったので、「本当に入国できるのか」「空港でもしコロナ陽性が出てしまったらどうしよう」「入国の際に必要な書類が揃っていなかったらどうしよう」など様々な不安はありました。

さらに、台風の影響でもともと予約していた飛行機が欠航になるというイレギュラーにも見舞われました。

なので、実家を出発しカナダのホテルに着くまでの時間が一番不安な時期でした。


当時は、コロナの影響でジョブオファーを得てからでないとワーホリビザを申請することができませんでした。

ですので、仕事が決まった状態でカナダに渡航し、到着した2日後には働き始めることができたので金銭的に困る事もなく、すぐにカナダでの生活リズムも作ることができました。


ワーホリでの仕事

ビクトリアのポキ丼

カナダでは、3種類の仕事を経験しました。

ポキ丼のお店のサーバー、家の内装塗装の仕事、そしてローカルカフェでのバリスタです。

ビザを申請するためにはジョブオファーが必要だったため、仕事を見つけるにあたってカナダの求人サイトから申し込み、リモートでの面接やメールでのやり取りをしながら求職活動をしました。


ポキ丼のお店では時給は約1400円で、1日に7~9時間程働いていました。

常連が沢山いるお店だったのでお客さんとの距離も近く楽しい職場だったのですが、韓国人オーナーのお店だったし、日本人や韓国人が多く勤めている職場だったため、アジアの文化を濃く感じました。

せっかくカナダに来たのだからカナダ人がいる職場で働きたいと思うようになり退職し、当時付き合っていた人の家族が経営している塗装屋に勤め始めました。


塗装屋は時給1700円くらいで、カナダ人や中南米からの移住者が務めており、カナダのワークカルチャーに触れることができて面白かったです。

しかし、接客業をしたいという思いも持っていたので、塗装屋の仕事は1か月程度で辞めて求人活動を再開しました。


学生時代はずっとカフェでアルバイトをしていたこともあり、バリスタの仕事に興味があったので、レジュメ(履歴書)を何枚か印刷し家の近くにあるカフェ全てに飛び込み営業をしに行きました。

その中の一つのお店で雇ってもらえることになり、最後の8か月間はバリスタとしてローカルカフェで働きました。

カフェの時給は約1500円で、加えてチップももらえていたので1か月に30万円ほど頂きながら働いていました。


そのカフェでは唯一の外国人労働者だったので、保守的なご老人のお客様から傷つくような扱いを受け事もありました。

しかし、同僚の子たちは私の国籍を気にせず接してくれたのですごく働きやすかったです。

職場環境が良かったのに加え自分自身がコーヒーに興味があったので、バリスタとしての仕事に大きなやりがいと情熱を感じるようになりました。

ですので、帰国してからもコーヒーに携わる仕事がしたいと思うようになり、現在は日本でお店の経営メンバーの一人となり、焙煎士兼バリスタとして働いています。


ワーホリでの最大の困難と克服方法

私は既に海外で生活した経験があったので、言葉や文化の違いによっておこるすれ違いや伝えたいことが伝わらないもどかしさは有って当然だという考え方でしたので、言語の壁やカルチャーショックなどに対するストレスはほとんどありませんでした。

今回のワーホリでの最大の困難は、ヴィクトリアのダウンタウンの公共駐車場に車を止めておいたら、ホームレスの人に車内の荷物を盗まれてしまい、その犯人を夜通し探し回ったことです。


克服方法

盗られてしまったものが、当時付き合っていた彼の仕事道具だったためどうしても取り返す必要がありました。

なので、深夜から明け方にかけてホームレス街を歩き回り全員に「今日何か車から盗んでないか?」と聞いて回ったことが、ワーホリ最大の困難でした。

その結果、何とか犯人を見つけ出し、仕事道具も取り返すことができました。

施錠していても物を盗られてしまうという事を学んだので、それ以降は車の中に大切なものは置かないという対策を取りました。


ワーホリでの一番の思い出

バリスタとしてローカルカフェで働いていた時間全てが1番の思い出です。

私は従業員が全員カナダ人という環境で働くのが初めてだったし、彼らも日本人と近い距離で関わるのが初めてだったようで、最初は私一人が浮いているような感じでした。

しかし、「私はこの店のバリスタの一人で、他の従業員は全員仲間なんだ」と思えるようになった時に一気にお客さんや同僚たちとの距離が縮まりました。


雨が降っている日には、お店の営業中にも関わらずみんなで手をつないで外に出てびしょ濡れになりながら騒いだり、お店が忙しすぎて誰も休憩が取れなかった日には、お客さんが減ったタイミングでお寿司を買いに行ってみんなで休憩を取ったりと、毎日のように日本では考えられない状況に直面していました。

ですので、1番の思い出を1つに絞ることはできませんが、働いていた時間の全てが1番の思い出になりました。


ワーホリを通じて得たもの

ワーホリでバリスタとして働いたことがきっかけで、コーヒーにより興味を持ち始め、帰国してからのキャリアに大きな影響を与えてくれました。

カナダに行く前からコーヒーは好きでしたが、カフェで働くうちに益々コーヒーに魅了されていきました。

カナダは日本よりもコーヒーが生活に溶け込んでいました。

いつも輪の中心にはコーヒーがあり、コーヒーを通じ人との距離が縮まっていく様子を毎日見ている中で、「私はこれからもコーヒーに携わりたいし、もっともっとコーヒーの魅力を広めていきたい」と思うようになりました。


この経験を経て帰国し、現在は小さいながらもコーヒースタンドの運営に携わりながら、焙煎士兼バリスタとしてキャリアを詰んでおります。

また、生きていく中でしんどくならない考え方も身に付けることができました。

それは「当たり前が当たり前とは限らない」という事です。


海外に行くと、日本にいた時の常識が通じないことが多いです。

特にカナダは多国籍な国で世界中の文化や言語が入り混じる場所でした。

最初は戸惑うこともありましたが、「常識なんてないのかもしれない」と思えた時に、私とは違う考えや選択を抵抗なく受け入れることが出来るようになりました。

この考え方を持つことで、人との関わりの中でのストレスが減り、「その考え方もあるのね。なるほど。」と相手を受け入れることも出来るようになりました。


これからワーホリする人へ

ある程度英語力を上げておくと、ワーホリ先に着いた瞬間から海外生活を楽しめると思います。

職種にもよりますが、ほとんどの仕事で最低でも日常会話レベルの英語力が求められます。

現地の人に混ざって求職活動をすることになりますので、英語が喋れないというのは大きな問題になってくるかと思います。


また、語学学校に通いながらパートタイムで短い時間だけ働くという事も可能だとは思いますが、それだと職場の同僚と共有できる時間や現地のワークカルチャーに触れる時間が短くなってしまい、もったいないような気がします。

私は元々英語がそれなりに話せたので、現地に着いた2日後からフルタイムで働き始め、丸1年間現地の人の生活に溶け込むことが出来たからこそワーホリが有意義なものになったと感じています。


「でも、ワーホリに行くにはお金がかかるし、働きながら日本で英語を勉強するのは難しいかも」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、現地に着いてすぐにフルタイムで働くことが出来れば、2週間後には約10万円の給料が入ってきます。

というのも、カナダの場合は2週間に1度給料日があるからです。

ですので、「ワーホリに行く」と覚悟が決まったら、「語学学校代と3か月分の生活費のために貯金をする」ことよりも「英語力向上のために全力を注ぎ、現地ですぐにフルタイムで働けるように準備する」ことをお勧めします。


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