プロフィール
名前 | さよ |
渡航先 | ニュージーランド・クライストチャーチ |
渡航時の年齢 | 31歳 |
渡航前の職業 | 事務職 |
渡航資金 | 150万円 |
渡航時の語学力 | 日常会話レベル |
渡航時の滞在方法 | ホームステイ |
語学学校の期間 | なし |
ワーホリのきっかけ
私が20代の頃、何人かの「ワーホリ経験者」に出会ったことがありました。
でもその人たちは、特別英語がペラペラというわけでもなく、英語を活かした仕事に就いているわけでもなく…
正直なところ、「長く海外にいたのに、何をしに行ってたんだろう?」と、ちょっと失礼なことを思っていたんです。
「せっかくワーホリに行くなら、何かを成し遂げなきゃ意味がない」と思い込んでいました。
でも、30歳になったある日、ふと気づいたんです。
「そういえば、“ワーキングホリデー”って“ホリデー”ってついてる。だったら、ホリデーとして楽しめばいいんじゃない?」
今思えば、あのとき「ワーホリに行っても人生変わらなさそう…」なんて思っていたのは、本当は自分も行きたかったけど、行く決心がつかなかったから。
だから、心のどこかでその気持ちにフタをしていたんだと思います。
「何かを成し遂げなくたっていい。ただ、行って、自分の時間を楽しめばいい。」
そう思えたことが、私がワーホリを決意したきっかけでした。
ニュージーランド・クライストチャーチを選んだ理由

英語圏でのワーホリを考えたとき、最初に候補に上がったのがカナダ、オーストラリア、そしてニュージーランドでした。
イギリスも一瞬考えたのですが、当時はワーホリビザが抽選制で倍率も高く、そこまで強いこだわりもなかったので、早々に選択肢から外しました。
カナダもオーストラリアも本当に魅力的で、どちらも行ってみたい国。
でも、広すぎてどこを訪れるかを決めるのが難しそうだなと感じました。
その点、ニュージーランドはコンパクトで移動もしやすく、旅もしやすそうと思ったのです。
実際にニュージーランドに決めてからは、次に迷ったのが北島か南島か。
どちらもそれぞれの良さがありますが、私は手つかずの大自然や山々に惹かれて、南島を選びました。
中でもクライストチャーチは、国際空港がありアクセスが良いこと、日本人も多く、情報も得やすそうだったことが決め手になりました。
渡航当初の様子
渡航したばかりの頃は、まずは生活に慣れることを第一に、クライストチャーチの街をのんびり散歩したり(公園が本当にきれいでおすすめ!)、宿で出会った子たちと一緒に出かけたりして、毎日を楽しんでいました。
でも心のどこかでは、次の滞在先や中古車を探さなきゃという思いが常にあって、楽しみながらも内心では少し焦っていたと思います。
そんな中でなんとか中古車も手に入って、次の滞在先も決まり、「よし、ここからが本格的なワーホリ生活だ!」と意気込んでいたのですが…そのエクスチェンジ先は、私にとってはちょっと誤算でした。
というのも、一緒に働くのは日本人だけで、宿のお客さんと関わる機会もなく、地域の人たちともあまり接点がなかったのです。
場所は自然いっぱいで本当にきれいだったし、オーナー夫婦もすごく優しかったのですけど、気づけばほぼ日本語環境。
しかも、早く次を決めたい&落ち着きたいという気持ちから、自分で2ヶ月の滞在を申し込んでしまっていて…
当時は特に不満もなかったけど、あとから考えると「もったいなかったなぁ」とちょっと後悔しました。
その後は、旅をしながら移動したり、WWOOF(農場や家庭でのボランティア)をしたり、バックパッカーズでエクスチェンジワークをしたりと、どんどん自分のペースで動くようになりました。
ある程度英語を話せたこともあり、バックパッカーズでの仕事や旅の中でのやりとりにはすぐ慣れましたが、WWOOFはやっぱりちょっと別の難しさも。
現地の家庭に入るとなると、毎回ちょっと緊張もするし、慣れるのにも少し時間がかかりました。
でも、その分リアルな生活ができて、すごくいい経験になりました。
ワーホリでの仕事
私はいわゆる「お金をもらう仕事」はしていなかったんですが、WWOOFやバックパッカーズでのエクスチェンジワークを中心に働いていました。
WWOOFでは、お家の掃除や料理など日常的なお手伝いをすることもあれば、農場で朝から夕方までしっかり農作業をすることも。
ホストの家によって内容や働く時間もかなり違うので、事前にしっかり確認するのが大事です。
WWOOFの滞在先を見つけるには、まず公式サイトに登録して年会費を支払います。
その上でホスト一覧から気になるところを探して、「ここ行ってみたい!」と思ったホストに直接メッセージを送ります。
このとき、プロフィール欄はしっかり埋めておくのがおすすめ。
ホスト側にとっては、見ず知らずの人を自宅に迎えるわけなので、ちゃんと人となりが伝わると安心してもらえます。
メッセージは一度に10通くらい送るつもりでいるといいかも。
というのも、返事が来るのはそのうち半分くらいで、実際に受け入れてもらえるのは1件あればラッキー、という感覚でした。
バックパッカーズでは、主に宿のお掃除をしていました。
仕事自体はシンプルですが、いろんな国の人と関われるのでとても楽しい経験でした。
バックパッカーズのエクスチェンジは、ネットの掲示板などで探しました。
意外と頻繁に求人が出ているので、気になる場所を見つけたら、気軽に連絡してみるといいと思います!
ワーホリでの最大の困難と克服方法
ワーホリ中は、正直いろんな「困ったこと」や「大変だったこと」がありました。
たとえば、ペーパードライバーなのに車で旅をしたこと、WWOOF先で何日もシャワーが使えなかったこと、毎日朝から夕方まで農作業したこと、車の売買、クライストチャーチでの地震(まさにその翌日に向かう予定だったんです)、厄介なアルゼンチン人にしつこくされたこと…
どれも今となってはいい思い出ですが、その中でも一番心を揺さぶられたのは、東北大震災が起きたことでした。
その時に滞在していた宿は通信環境もあまりよくなくて、ネットもテレビもちゃんと使えない状況。
そんな中でも、「日本でとんでもないことが起きている」ということだけは分かって、ものすごく不安になったのを覚えています。
克服方法
「日本がこんなときに、自分だけ海外でワーホリを続けていていいのか」と悩みました。
帰国するべきか、それともこのままここに残るべきか。
でも考えた末、「今すぐ帰ったところで自分に何ができるんだろう?」と思い、帰国後に何かできることをしよう、と心に決めて、そのままニュージーランドでの生活を続けることにしました。
悩んだときはいつも「自分は本当はどうしたいのか?」としっかり問い続けました。
そうやって少しずつ、自分なりの答えを見つけて前に進んで行きました。
ワーホリでの一番の思い出
ニュージーランドでは、日本ではなかなか見られないような雄大な自然や、美しい景色にたくさん出会い、そのすべてに心を打たれました。
でも、そんな中でも一番の思い出は、やっぱり“人との出会い”です。
通りを歩いていたら、たまたま出くわした誕生日パーティーに誘われて飛び入り参加したり、バスで隣に座った女の子に話しかけたのがきっかけで、そのまま一緒に数日間旅をしたり。
WWOOFやバックパッカーズでの生活では、世界中から来た仲間と一緒に料理を作ったり、ビールやワインを飲みながら毎日夜遅くまで語り合ったり。
特別なことをしているわけではないのに、ただ一緒に時間を過ごすことが、なによりかけがえのない思い出になっています。
15年経った今でもつながっている友人もいて、あのときの出会いが今の自分の人生を彩っていると思うと嬉しくなります。
ワーホリを通じて得たもの
ワーホリに行く前の私は、「こうあるべき」「こうしなければならない」といった固定観念に縛られていて、自分の本音に耳を傾ける余裕がありませんでした。
何かを始めたら、たとえ違和感があっても「一度決めたんだから最後までやり通さなきゃ」と思い込んでいたのです。
実際、ワーホリ中に訪れたWWOOFやエクスチェンジ先で「ちょっと合わないかも」「ほかの場所に行ってみたいな」と感じても、途中でやめることに罪悪感があって、最後まで滞在していました。
でも今振り返れば、きちんと気持ちを伝えていれば、ホストの方もきっと理解してくれたはずです。
自分の気持ちを大切にすることは、わがままとは違うんだと気づけたのは、大きな学びでした。
また、語学力の面でも大きな変化がありました。
最初はたどたどしい英語でしたが、旅や日常生活を通して少しずつ自信を持てるようになり、帰国する頃には、日常的な会話ならスムーズにやりとりできるくらいまで成長していました。
ワーホリを通じて得たのは、語学力だけでなく、「自分がどうしたいのか」を問い、選び、行動する力でした。
ワーホリに行く前よりも、自分のことが好きになりました。
これからワーホリする人へ

これからワーホリに行く人には、まず「自分はワーホリで何をしたいのか」をできるだけはっきりさせておくことをおすすめします。
英語力を伸ばしたいのか、現地で働きたいのか、それとも旅をメインに楽しみたいのか。
ゴールがある程度見えていると、行動にも迷いがなくなります。
もちろん現地に行ってから「やっぱり旅じゃなくて働きたい」「もっと語学に集中したい」など、方向転換するのはまったく問題ありません。
その時々で気持ちは変わるものなので、自分に正直でいてほしいです。
あと、英語を学びたいと思っていても、やっぱり日本人同士って気が合うので、ついかたまってしまう…というケースはよく見ます。
日本人の仲間と過ごす時間ももちろん楽しいし、悪いことではありません。
でも、せっかくの海外生活。
思い切って現地の人や他の国の人とも関わることで、もっと広がる世界があると思います。
準備としておすすめなのは、「日本のことを少し勉強しておくこと」と「日本料理をひとつでも作れるようにしておくこと」です。
海外の人は日本にすごく興味を持っていて、いろいろ聞かれることが多いのです。
私は意外と自分が日本のことを知らなかったんだと反省しました。
そして、日本食はどこに行っても本当に喜ばれます!
簡単な料理でいいので、何かひとつでも作れるようにしておくと、仲良くなれるきっかけにもなりますよ。
最後に伝えたいのは、「オープンマインド」と「行動力」があれば、きっと大丈夫!
ぜひあなたらしいワーホリ生活を、めいっぱい楽しんでください!